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⑅◡̈*片想い、両想い∞

第1章 見つめるだけで幸せな恋


「あぁぁー今日もめっちゃ可愛かったピンクレディーちゃん♡髪の毛やわらかそう!お肌すべすべそう!なでたいなでたいさわりたい!」


「欲望丸出しやな!でもまずは話しかけるとこからやん。そこから始まるんやん全ては!」



満足そうに窓際に背を向けて並んでもたれかかる、いつもの朝。でもな、もうちょい彼女のこと見とったほうがええんちゃう??

逆方向に向かう電車、ガラス2枚隔てたむこうがわ。毎日おんなじようにピンクレディーちゃんが背を向けて立ってるんですよ、しょーたくん。

気づけ!今日こそ気づいたれ!と隣に念を送るも、脳内お花畑な彼に届くはずもなく。ゆっくりと逆方向に動き出した電車に、ふと目をやれば


くるり。


!!!


やっさんのほうに少しだけ振り返って、小さく動いた彼女のくちびる。



それはほんとに一瞬の出来事で。




ふんわり笑った彼女を乗せて、電車はぐんぐんスピードをあげていった。



「そやなー…話しかけるかー…んー、あのピンクのつやつやうるうるしたくちびるで「すき♡」なんて言われたらもうボク心臓止まるかもしれへん!どおしよー」



ばかばかばかばか!早くきづいたげて!

もうもうもう!ふたりとももどかしいんやから!

そんな気持ちを心に秘めて



「んはは!ほんならもう止まりかけやな。俺も好きなひと欲しー!!」



今日もぼくは、彼の恋愛を見守るのです。



end.
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