第5章 君の横が1番安心する恋
ぎゅうって体を抱きしめられた感じがして、意識が浮上した。
なんだか外が明るい気がする⋯
起きなきゃなぁ、起きなきゃなぁ
でも今日は土曜日だし、んー⋯何時だろ今。
ちゅ
目を開けられずに考えていると、おでこにちゅう
ふふ、りゅーちゃん♡もう起きてるの?
「八子〜?起きとるんやろぉ?」
起きてないよ、まだ寝てるよ、寒いからまだ目があかないの
「目ぇつぶってても、口元にやにやしてんの見えてんでー?」
ばれた!!
りゅーちゃんのやーらかい関西弁、すき。
「まだ眠い?寒いから起きられへん?もっかいぎゅーしたろか」
ふわふわ毛布のなか優しく体を包んで抱きしめてくれるとこも、すき。
「粘るねぇー⋯昨日むりさせすぎたやろか⋯」
嬉しそうに心配そうに言いながら、両手にゆるりと力をこめる。優しいなぁ。
「まだ7時すぎやし、もうちょい寝とき。よしよし」
頭、なでなで、だーいすき。
りゅーちゃん、だめだよ。気持ち良くてまた寝ちゃう⋯
ぎしっと隣の重みがなくなったのを感じながら、意識を手放した。
*
「⋯⋯〜!⋯八子⋯ちゃん⋯〜!おき⋯」
ん?ふわわ⋯寝てた。ものすごい寝てた。
がばり!
「ものすごい寝てた!!!」
「おぉぉう!どんな起き方なんそれぇ〜!?」
「わぁ!りゅーちゃん!おはよ!」
「わぁ!朝から元気やね!おはよ♡」
「⋯なんか いい匂い するー」
「おだいどこ、借りたよ。ごはんたべよ。」
モーニン!ハニー♡⋯なんて外国の映画みたいにベッドまで運んであげたかったんやけど、こぼしたりしたら大変やしね。
なんて、意外と現実的で。そこがまたおかしくて、ふふふっと笑ってしまう。
「フレンチトースト!」
「あとスープとサラダと、八子の好きなお紅茶もあるでー」
「ありがとりゅーちゃん♡おいしそう!いただきます」
「はいどーぞ。ほんまは鮭焼いて味噌汁作ってって旅館みたいにしたりたかったんやけど⋯」
「あ、冷凍庫にあるよ鮭。ん〜!おいし♡」
「ほんまー?ありがと♡鮭、気ぃつかへんかった。ほな明日の朝は鮭にしよか」
「明日もりゅーちゃん特製あさごはん?」
「⋯八子、おねだり上手⋯」
「りゅーちゃんの、たべたい♡」
「きゃ♡だいたんーーんふふ♡」
可愛い可愛い、かれし。