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どうやら大好きなようで【短編集】

第18章 彼シャツ 荼毘





荼毘「…俺もヒーローの息子だった。あいつは心底クソだった。母親とも個性婚だ…子供のことを自分の道具としか考えちゃいねぇ…個性が2つ宿ることを目標に。ただただ平和の象徴を超える個性を作りたいだけだ。」



「個性が…2つ。」



荼毘「俺はその家の長男…俺の個性は自分であまりコントロールできねぇ。体の皮膚が自分の炎に耐えきれねぇんだ。あいつもそれが気に食わねぇのか俺のことは諦めてた。ある日の事だ…俺の個性が暴走した。まだ幼かった俺は個性制御が出来ず自分の個性に焼かれて死んだ。そうなってるよ。今の俺は死んでんだ。だから名前も荼毘。」



「…荼毘さんは…ヒーローが嫌いですか?」


荼毘「…嫌いじゃなかったらこんなとこいねぇだろ…ヒーローなんてもんがいるから個性に欲を出す…『あんな個性が欲しい』『強い個性が欲しい』『あのヒーローみたいになりたい』ヒーローに憧れるガキ共はヒーローの個性に憧れる。かっこいいだの強いだの、そんなんで…個性なんて出来なかったらヒーローもヴィランもできなかっただろうよ、」



「…このツギハギの傷も、、嫌いですか?」



荼毘「嫌いだ…あいつを思い出す。あんな欲にまみれたやつよくヒーローやれてる」



「…荼毘さんは前に1回テレビで見ました。綺麗な炎でした。キラキラ光ってて…」



荼毘「…何が言いてぇ」




「…荼毘さんに憧れて、ヴィランになろうと思いました。
ヒーローに憧れる人がいるんなら、ヴィランの勇気やその行動力に憧れる人もいてはおかしくないでしょう?」



荼毘「…はっ、馬鹿だな。」


「私は連合に入れてよかった。」
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