第12章 【過去】変なプライド(向日)
いつものように、人差し指と中指をビシッとかざすと、職員室のある棟へ歩いていった。
その一部始終を横で見ていたのは、同じく門前にいた生徒会長の跡部だった。
今日は名簿を片手に、遅刻の生徒にチェックをつける日だ。
跡部「ククッ、向日、と、和栗だったな」
めいこ「あ、はい」
跡部「今日は俺様が大目に見てやるよ」
向日「わりぃ跡部」
めいこ「ありがとうございます」
跡部「ただし、担任の点呼までに間に合えば、な」
向日「ゲーッ!」
めいこ「いやーうそーっ!無理ー!」
だだっ広い学園にある校舎に向かって、ここ一番のダッシュをみせた2人だった。
跡部先輩、は、知ってたけど。
あの人が向日先輩、だったか、覚えとかなくちゃ。
「和栗ー」
めいこ「はいーっ!」
廊下を走りながら担任の点呼に答えためいこは、クラスメイトに大爆笑された。
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