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【テニプリ】まずは友達から

第12章 【過去】変なプライド(向日)


初夏、ここは朝の通学路。
氷帝学園から近いこの道は、多くの生徒が通る。
しかし朝とは言っても、もう既に生徒の大半が登校している時間のため、ほとんど人がいないのであった。

めいこ「無遅刻無欠席無遅刻無欠席ぃいい!」

そこに1人、お教のようにブツブツと何か呟きながら、寝坊しためいこが足早に学園へ向かっていた。
慌てて出てきたため腕時計と携帯を忘れ、今何時なのか確認出来ず余計に気持ちが焦っていた。

めいこ「やばーい!誰もいないよぉお!」

半泣きになりながら角を曲がる。
すると、前に赤いオカッパ頭の生徒が歩いていた。
制服からみて氷帝の生徒、大きいテニスバックも背負ってるし、同じ部活の人だ。

めいこ「よかったぁ〜」

知り合いに会えて少し安堵する。

慌ててないみたいだし、時間まだ大丈夫かも。
確か、テニス部レギュラーの先輩...えーっと名前なんだっけ。

春から入部したばかりのめいこは、顔は分かれども名前はまだあまり覚えていない。
そんなことを考えながら進んでいると、いつの間にか前にいる先輩、向日に追いついていた。
挨拶しようと思ったが、スマホを片手にイヤフォンをしている。
邪魔しちゃ悪いかなーと、そのまま向日を追越した。
彼はハッと顔を上げると、少し歩く速度を速くした。

えっ、時間もうそんなヤバいのか

今度は向日にめいこが追い越され、焦って少し大股で歩く。
すると、向日はもっと大股で歩き出し、めいこも負けじともっともっと大股で歩く。
気が付けば、2人は抜きつ抜かれつの競歩のようになっていた。

キーンコーンカーン...

向日「ゲッ!」

めいこ「ギャー!」

学園目前での予鈴に、2人は猛ダッシュした。
今日は遅れられない、なんたって当番は鬼の榊先生!時間ピッタリに門を閉められてしまう。
鳴り終わる直前に息を切らして門前に着くと、黒いスカーフを巻き、紫のような茶色のような上着をお召になった榊先生が、丁度門を閉めようとしているところだった。

めいこ「わー!先生まってぇえ!おはようございます!」

向日「監督おはようございます!」

2人は崩れるように隙間から滑り込んだ。

榊「おはよう。次は時間に余裕を持って登校するように」

「「はい!」」

榊「行ってよし」
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