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【テニプリ】まずは友達から

第5章 【過去】出会ったとき(跡部/鳳)


めいこ「え?あたしがリレ選?!」

今日はめいこにとって初めての運動会。
今は最後の種目、全学年男女合同の50メートルリレーが始まろうとしているのだが、何故かアンカーにバトンを託すという超重要な役を任されようとしていた。

ゆゆか「そう、頼む!あたしの代わりに出て!さっきの障害物競争で軽く捻挫した!わはは」

めいこ「えーっ!大丈夫?!」

ゆゆか「うん、さっき冷却スプレーしてもらったからね。ただ走んのは無理だわー」

めいこ「でもあたし補欠だから練習1回もしてないよ?!」

ゆゆか「バトンさえ上手く渡せば平気っしょ!」

めいこ「そこ1番重要だし!」

そう、リレ選なんて1度も選ばれた事が無い。
たまたま、体育の授業中にゆゆかとジュース1本かけてタイムを競ったら、今までで1番速い記録が出ただけのこと。
勿論負けたけど。
それでたまたま、うちのクラスはあんまり足の速い子が居なくて、あたしが補欠に選ばれただけのこと。
なのに最後のアンカーへバトンを渡すことになるとは...。

選手集合がかかり、めいこは仕方なくグラウンド中央に移動した。
背中にゆゆかの「ッンバレー!」という声を聞きながら。

この競技では1、2、3学年で1クラスに男女が2人づつ出ることになっているのだが、大半は運動部が選ばれていた。
走る順番はそれぞれの組の作戦によって違うらしい。

スタートして間もなく、めいこの黒(ノワール)組が1位になった。
その途端、後ろの女の子が「どうしよう、どうしよう」と慌てだす。

めいこ「どしたの?」

「私が抜かされたらどうしよう、跡部様が1位じゃ無くなっちゃう!」

プレッシャーのあまり、泣き出してしまった。

めいこ「大丈夫だよ」

肩を力強く掴んだめいこの顔を見た女の子は、コクリとゆっくり頷き、スタート地点へ歩いていった。

しかし跡部様って誰?
そういえばよく皆が騒いでいた名前がその人だったような。

周りを見ると、少し離れた場所に黒のタスキをかけた人物が、腕を組んで立っていた。
丁度目が合う。

あの人か!あの人がアンカーの跡部様...先輩かぁ。走る前にわかってよかったー。

すると、声援がワッと湧いた。
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