第4章 明日に備える(跡部/宍戸)
めいこは買い物かごを持ち、目当ての場所へ歩いていく。
宍戸は跡部を後ろへ引っ張り、耳打ちした。
宍戸「お前さ、なんか勘違いしてるみたいだけどよ、俺はたまたま駅で会っただけだからな」
跡部「フンッ」
宍戸「ったくよー...」
宍戸は早々に買い物を済ませて帰ろうと思った。
宍戸「っあれ?和栗は?」
めいこはいつの間にか宍戸の背後に回り込み、右手に持ったソレを首に向けた。それはどう見てもイタズラをする時の顔。
顔文字にするとこう→(^皿^)
めいこ「食らえっ!」
ブシュッという音とともに宍戸の首に何かがかかる。
跡部はハラリと避けた。
宍戸「うわっ!冷てっ!」
めいこ「うひゃひゃひゃひゃ!」
宍戸「コラ和栗!」
めいこ「きゃー!」
逃げるめいこを宍戸は走って追いかけた。
跡部「おいお前ら、店内で走るな...ったく」
店舗入り口の特設ステージに目をやると、先程めいこが持っていたスプレーが置いてあった。
跡部「なに?『氷のエンペラーシャワー』?だと?」
ポップには、「シュッとするだけで爽快クール!まるで氷のシャワーみたい!」と書いてある。
跡部「フンッ、俺様にピッタリじゃねーの。どれ、試してみるか」
サンプル、と書いてあるボトルを手に取る。
ジムでストレッチ直後、階段を無茶して降りてきた跡部には丁度良く思えた。
首元にシュッと一吹きしてみる。
跡部「んっ?!いてぇ!」
めいこ「あー!ぶちょー!それ『エンペラー』の方じゃないですかー!」
跡部「なに?」
宍戸から逃げいている最中のめいこが走ってコッチに戻ってきた。
めいこ「あたしが持ってるのは、ただの『氷のシャワー』です。ソッチはすごい強力ですよー。肌に直接しないで下さいって書いてあるくらいですから」
跡部「なるほどな、確かに刺激が強すぎる」
めいこ「でもコレ、オススメですよ!練習とか合宿とかに持っていこうと思ってるんですけど、どうですか?」
跡部「フン、良いんじゃねーの?」
めいこ「やったー!じゃあコレ何本か買っときますねー」
カゴへ入れていると、宍戸が手に何かを持って戻ってきた。
宍戸「よし跡部!ソイツちょっと押さえとけ」