第4章 明日に備える(跡部/宍戸)
「これは...電話した方がいいよね...」
めいこは跡部が書いた電話番号をマジマジとみていた。
昨日、イキナリ遊びに行ったのにこんなに色々頂いてしまった。
お礼は言ったほうがいいだろう。
そして、直ぐに電話しろと言わんばかりのこの手紙...というかメモ。
今時はもっぱらアプリの無料通話であろうに、めいこはガラケーのためそれはできない。
チラリと壁にかかった時計をみる。
お昼過ぎ。
時間帯的には迷惑にはならないハズ、多分。
震える指で慎重に電話番号を押し、かけることにた。
【プップップップップップップップッ...】
ドキドキし過ぎで本当に手に汗を握っている。
【....プルルルルル】
めいこ「やっぱムリー!!」
【ブツッ】
思わず1コール鳴っただけで切ってしまった。
めいこ「無理無理無理メールとかじゃないとやっぱ無理ホント」
でもぶちょーのメールアドレスなんて知らないしなー。
めいこ「どうしよー、明日の部活で言えばいいかなー」
【プルルルル】
めいこ「わわわっ!」
突然の着信に驚いて、携帯を落としそうになる。
画面をみると折返し電話と表示されていた。
めいこ「早っ!マジか」
【プルルルル】
めいこ「マジかー...」
大きい深呼吸を何度かして、もう直ぐで8コール目というあたりで電話に出た。
めいこ「もしも..」
跡部「オイ、1コールで切っておいて中々出ないとは、良い度胸してるじゃねーの和栗」
めいこ「ゴメンサイ、緊張のあまり。よく私って分かりましタネ」
跡部「んなもん声ですぐ分かる」
めいこ「そ、ソウデスカ」
跡部「で?どうした」
めいこ「あ、えっと、昨日のお礼を言おうと思って...アリガトウゴザイマシタ」
跡部「なんだそんなことか、礼を言われるほどじゃねーよ」
めいこ「でもキャビアサンドイッチ、美味しかったデス」
跡部「そうか、シェフに伝えておく」
めいこ「虹の写真も嬉しかったデス、さっそく飾ってマス」
跡部「ならよかった」
めいこ「では私はコレデ、失礼イタシマス」
跡部「ちょっと待て」
めいこ「ハイッ」