第30章 【番外】君の笑顔が好き(芥川)
めいこ「あ、そんな引っ張ったら…」
めいこが言い終わる前に、スプリンクラーからホースが外れ、目の前で勢いよく水が吹き出してきた。
めいこ「うわぁ!」
芥川「やべっ」
まともに水を浴びた彼女は、全身ずぶ濡れになった。
跡部「ったく、ジロー」
芥川「わああ!ごめん!」
めいこ「わははは!びしょ濡れー!」
ケラケラ笑う彼女にドキっとする。
シャツはピッタリと身体に張り付いていた。
芥川「あ」
芥川は慌てて自分の上着を脱ぐと、めいこの肩にかけた。
芥川「これ着てて!」
真っ赤になった芥川を、キョトンと見つめてくる。
下着透けてるC、ピンクだCー!なんて言えねぇ!
めいこ「え、ありがと」
微笑んだ彼女をみて、また胸がズクンと痛くなった。
跡部「和栗、着替えてこい」
めいこ「え?大丈夫だよぶちょー、暑いからその内乾くだろうし」
跡部「ほぅ、スケスケだぜ?」
めいこ「なっ!」
芥川「ちょっ!跡部!」
めいこ「ぶちょーのエロ魔人ー!」
なんて言いながら、マネージャー室にかけて行った。
跡部「あん?何だそりゃ」
芥川は胸元を押さえながら、スプリンクラーを元の場所に戻した。
芥川「やばい向日、心臓が痛い」
向日「はあ?はしゃぎ過ぎじゃねーの?」
俺、和栗の笑った顔、好きかも。
暑さでぼぅっとする中で、それは確かに感じた思いだった。
【END】