第23章 【番外】恐怖の麦茶(向日)
めいこ「おーい!麦茶できたよー!」
向日は疑いの眼差しを向ける。
向日「お前、今日は塩入れてねーだろうな?」
めいこ「イレテナイヨー?」
向日「怪しい」
芥川は既にグビグビと飲んでいる。
芥川「おいっCー!和栗おかわりーっ!」
めいこ「はーい!」
それをみて、向日もちびりと飲み始めた。
向日「...ん、うまい」
めいこ「まじで?!よっしゃ」
向日「麦茶レモン?」
めいこ「そう、昨日ゆゆかのレモン見て思いついたんだー」
向日「フーン、なんかレモンティーみたいだな」
めいこ「でっしょーっ」
めいこが得意げに顔を上げると、背後の草むらから低い声が聞こえてきた。
「さすがだと言いたいが...甘いぞ和栗!」
めいこ「えっ海馬?!」
勢いよく立ち上がったのは、白と青のジャージに黒縁眼鏡が逆光に輝く、黒いツンツン頭の乾であった。
めいこ「違った!確か青学の人!」
乾「麦茶のアルキルピラジンとカテコールやゲンチシン酸といったポリフェノール、そこにレモンをプラスすることによって、ビタミンCとクエン酸も同時摂取できるよう進歩したのは素晴らしいが、何か足りない。何かが足りないのだ!」
向日達は突然生えてきた人物を、呆然とみていた。
乾「しかし昨日今日でこれだけのドリンク進化、素晴らしい!」
めいこ「ハハハ、どうもー」
乾「その才能、ぜひ我が青学のマネージャーとなって...」
跡部「樺地」
居るのを分かっていながら今まで放っておいた跡部だったが、パチンと指を鳴らして合図した。
樺地「ウス」
まだめいこを口説いている乾を、樺地はいとも簡単に肩に担ぎ上げた。
乾「おいっ!まだ話は終わっていないぞ!下ろしてくれ!」
おろしてくれー!という声とともに、乾は遠のいていったのだった。
めいこ「何だったんだ」
向日「和栗!」
めいこ「何?!」
向日「これからも俺達だけに作れよな、恐怖の麦茶」
めいこ「う?うん、そのつもr...ちょっと!恐怖の麦茶って何だよ!」
走り去る向日を、しばらく全力で追いかけ回しためいこであった。
ー【第23章 【番外】恐怖の麦茶】ENDー