第17章 恐怖か恋のドキドキか(忍足/跡部)
今日はすごい試合した後だし...。
よって、怒られる気がする。
めいこはムクリと起き上がると、正座になって暗い面持ちで電話に出た。
めいこ「はい、和栗でございます」
跡部『どうした、こんな時間に』
思いの外ゆったりとした口調で、怒っているのはあまり感じられなかった。
が、先に謝っておく。
めいこ「はい、間違ってかけました」
跡部『あーん?間違いで2度も1切りか?』
めいこ「ご、ごめんなさい。起こしちゃいましたか?」
跡部『いや、まだ起きてたからかまわねぇが...それより、何か他に理由があるんじゃねーの?』
めいこ「インサイトの人!」
跡部『お前、俺のインサイトネタ好きな』
めいこ「バレてる!」
跡部『かけてきた理由、当ててやろうか?』
フッと笑った気配にめいこはドキリとして、目が泳いだ。
跡部『俺様のことが気になって眠れないんだろ』
めいこ「は」
めいこは予想外の返答に、素っ頓狂な声を出してしまった。
跡部『ま、1日にあれだけアクションが起きればな。けどな、俺様は反省する気はねーぜ?』
めいこ「ええっと...」
めいこはグルグルと考え始めた。
どのこと?
どのことを言っている?
駅待ち伏せ?
映画館強制連行?
忠誠を誓う儀式?
あ、もしかして挨拶的チューしたこと?
跡部『あとな、今日はありがとうよ』
めいこ「えあ、はぁ」
跡部『疲れただろ、ゆっくり休めよ。そんじゃー..』
めいこ「あちょっとまって!」
切る挨拶になりそうなところで、慌てて止に入る。
跡部『何だ』
めいこ「あの、あの、申し訳ないのですが、喋らなくていいので、数分だけでいいので、繋いでおいてもらえますか」
跡部『あん?』
めいこ「実はお化けが怖くて寝れないんです!」
跡部『.....アーッハッハッハッハ!』
豪快に笑われている!
跡部『かけてきた理由はソレか。ったく、それならそうと早く言え』
めいこ「だってー!部長がー!」
跡部『悪い悪い。ならしばらく、俺様が羊でも数えてやるよ』
めいこ「やったー!」
めいこはバターンと勢いよく横になった。
めいこ「ぶちょー?」