第1章 最俺 キヨ編
キヨ『大丈夫だよ。今の時間帯、人いないと思うし。』
いや、そういうことではない。
お前と温泉に入るのが心配なのだよ。
黙々と考えていると、キヨは私の手を引っ張り、
無理やり温泉浴場に連れていった。
『ちょっと、まってよ!』
・・・
最初からおかしいと思ってた。2人だけで温泉旅行なんて。スケベキヨのことだからこれを目的に来たのだろう。
私は固くバスタオルを体に巻いて先に温泉に入って、
キヨを待っていた。
数分後。後ろから足音が聞こえてきた。
恐る恐る後ろを向くと、キヨが上から目線で私を見ていた。
『な、なに』
キヨ『…いや別に』
キヨはふいっと目を逸らしてシャワーを浴びている。
キヨの体は、すごく筋肉があるとかそういうのではなかった。どちらかと言うと綺麗なほうだ。
…なに考えてんだ私。