第37章 酒は詩を釣る色を釣る
「僕はそう言う趣味はない」
「ちょっ、オレだってそんな趣味ないんだけど!」
聖くんがわたしの方をちらっと見て、またツンと視線を外す。
「……僕は貴方に言われたから来ただけだ、コイツらと素っ裸で絡み合うなんてごめんだ」
「なんでそんな気持ち悪い言い方すんの聖ちん、もうオレすっげー萎えちゃったんだけど……」
永夢くんは呆れ顔で言い、肩を落とす。
サヘルくんは口を挟む余地もなく、気まずそうにしている。
わたしはふわふわとした床を踏みしめ、笑顔で言葉を続ける。
「勿論何にもご褒美がないって訳じゃないですよ、最後まで我慢できた人にはなんでも好きなことをしてあげます」
三人が一斉にわたしを見て、生唾を飲んだ。
「えっ……」
「な、なんでもって……」
「……最後まで、でもいいの?」
わたしは永夢くんの問いに頷く。
「マジか……」
サヘルくんが喉を鳴らした。
わたしの返答に呆然とする永夢くんを窺うように見て、徐にしゃがみ込んだ。