第5章 逢うは別れの始め
絶頂に達した性器が跳ねる。
腰をもどかしげに何度も振り、辛そうに顔を歪めた。
「う、ぅっ……!」
精液を吐き出すことが出来ず、勃起した陰茎は硬さと熱を保ったままピクピクと脈を打つ。
斗真先生ははあっと息を吐き、自身に目をやる。
射精を禁じられ、切なげにびくびくと震える姿に、力なく笑った。
「あ、ぁ……おれのすっげぇビクビクしてる……は、ははっ……」
わたしは、憐れで可愛くてどうしようもないその光景に激しい劣情を覚える。
ゆっくりと斗真先生との距離を詰め、両膝に手を置く。
「え、あ……丸木戸、先生……!」
紅色に染め上げられた両頬、汗に濡れた額。
顔を上げると、唇と唇が触れ合いそうなほどに近い。
わたしも、酷くドキドキしている。
下腹部がじんじんして、熱いのが治まらない。
斗真先生は驚いた顔で、わたしを見ている。
「えっと、あのっ……」
わたしを抱き込めようとしたのかそろそろと両腕を動かし、
「ぅ……」
すぐに引っ込めた。
その仕草に嗜虐心がたまらなく疼く。
わたしは斗真先生の膝に置いた手を上げ、上半身を任せた。
筋肉のついた広い胸板にすっぽりと包まれる。
膝の間に腰を下ろす。
わたしは顔を上げ、上目に斗真先生を見つめた。
「斗真、先生……」
「あ、ぁ……丸木戸先生、おれ……」
太腿の間が焦れったくて、うずうずする。
頬が熱い。
「わたしも、良くしてくれますか……?」
斗真先生は大きく首を縦に振り、わたしをぎゅうっと抱き竦めた。
「は、はいッ!おれで良ければ!丸木戸先生の好きに、おれを使って下さッ」
その時、わたしの携帯が鳴った。