第34章 金を掴む者は人を見ず
聖くんの蕩けきった顔に少し強さが戻る。
涙が滲んだ目をきっと吊り上げ、身体を捻る。
「僕は男だぞっ……!は、離せっ……」
「ねえ……どうなんですか?」
細く締まった胸板を布越しに撫で回すと、聖くんの脚が閉じ、表情が緩む。
口元をだらしなく弛緩させ、とろんと濁った目でわたしを見つめる。
ひっきりなしに熱い息を吐き出しながら、
「……触られた、から……だから、もっ、あ……っ」
「そうですか、じゃあ……」
わたしは聖くんの言葉を聞くと、制服の中に手を滑らせた。
薄く筋肉の付いた滑らかな腹部を軽く撫で、手を上にやっていく。
「あ……ッ!」
「ここも消毒しないといけませんね」
「ちょっとっ……待っ、ぁ!」
上向きにまさぐると、ぴんと尖った粒が指先に触れた。
聖くんが奥歯を噛み締める。
「……ンっ、ふう……ッ」
指先で先端をぴんぴんと弾くと、荒い息を口端から溢れ出させる。