第33章 水に燃え立つ蛍
抱きしめるようにして、熱くなった背中を撫でた。
永夢くんがぴくっと身体を揺らす。
ふーふーと吐き出される息が耳に当たってこそばゆい。
わたしは表情を弛ませる。
「我慢出来て偉かったですね」
「……うん」
永夢くんは放心したように頷き、呟いた。
「ねえ、紗都せんせー、もう触りたいっ……焦れったい……」
「ふーん……」
わたしは永夢くんの背に軽く爪を立て、
「あ、あっ!」
真っ直ぐに引き下ろした。
永夢くんの肩がビクビクと小刻みに跳ね、露出した肌が一気に粟立つ。
制服越しに背を引っかかれ、
「ぁ……っ、ん、っ」
永夢くんの下腹部が震えた。
そそり立った頂点から分泌液が滲んでいく。
湿った制服が濡れ、先端の色を濃く変色させた。
「我慢したから気持ちいいですよね、永夢くん、焦っちゃダメですよ」
「でも、なんかこれじゃ逆に……オレ、我慢するの好きになっちゃう、かも……」
「良いじゃないですか。わたし、永夢くんがちゃんと我慢強くなれるの、応援しますからね」
「……うん……」
永夢くんはとろんとした目で言い、わたしに身を預けた。
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