第33章 水に燃え立つ蛍
わたしの呼吸も永夢くんに呼応するように荒くなっている。
どちらのものとも分からない呼吸音が脳内を占拠していく。
永夢くんが耐えかねたように口を開く。
「はーっ……はっ……オレ……ちゃんと、できたよ……口、だけで脱がせた、から……」
永夢くんをじっと見つめると、瞳を更に潤ませた。
顔を上げたまま、辛そうに小さく身動ぎする。
ご褒美欲しい、と言わんばかりの限界寸前のグズグズの表情と泣きそうな声。
あまりにも焦れったい我慢と興奮で涙目になり、頬は紅く火照っている。
わたしは焼け付くような興奮を抱えたまま、永夢くんに微笑を返した。
「ふふ……っ上手でしたね」
褒め言葉をかけ、汗ばんだ額に触れる。
軽く撫でてあげると、永夢くんの目が幸せそうに微睡む。
ぼーっとわたしを見上げながら、
「……ぅ……ありがと……紗都せんせー……」
もじもじと身体を揺らした。
遠慮がちに腰を動かし、足先に力が入っている。