第32章 妬みはその身の仇
「時雨先生、そろそろ教えてくれますか?」
……時雨先生が手での刺激に慣れてきたのか、反応が薄くなってきたからだ。
時雨先生もそれを理解しているのか、嫌そうに顔を顰めつつも、首を横に振った。
「そうですか」
強情だなあ、と苦笑しつつも、やっぱりこうでないと張り合いがない、なんて。
わたしはメイクブラシを手に取り、立ち上がった。
時雨先生の前に戻り、
「でも、ここからが本番ですから」
笑顔で小首を傾げた。
「んっ、あ……ッ」
時雨先生の赤らんだ耳元にブラシの毛先を這わせ、なぞりあげた。
時雨先生の背筋が細かく震え、身体がびくんと跳ねた。
それを皮切りに、
「ひっ、うっ……は、はは、はぁっ……んんんッ!」
熱帯びたあられもない声で喘ぐ。