第29章 藪をつついて蛇を出す
自分の惨めさと嫌悪感に息が荒くなり、俺の逸物は更に膨らむ。
我ながら浅ましくて嫌になるけど、それが良くて。
自分でも滑稽だと思う行為に、自然と口端が上がる。
俺はハアっと吐息を衝き、身を震わせる。
バッキバキに勃起した自身を指先で揉み摩る。
足りなくて焦れったい手淫はツボを刺激して、性感を高揚させて、
「ぅ、あ、んんッ……」
俺は思わず切ない声を上げた。
逸物の大半は透明な粘つきでてらりと妖艶に光っていて、力強く主張している。
溜め込んだ情欲を絞り出すように陰茎を捏ね回す。
口端が歪む。
震えてうわずった鼻声が溢れ、
「丸木戸……っ」
何かに懇願するかのように彼女の名前を形作った。
✱
「んんんッ、んッぅうう!うぅ!うぅ……!」
サヘルくんの息遣いはどんどん断続的になって、喘ぎ声もより一層大きくなっている。
身体を強く身じろぎさせて、下半身を跳ねさせる。
わたしが首を傾げると、
「もう限界ですか?」
「うぅッ!うっ、うぅー!ううぅうぅ!」
サヘルくんは涙目でぶんぶんと首を大きく縦に振る。
「じゃあ、そろそろ取ってあげますね」
わたしはサヘルくんの噛む口枷に手をやる。
涎に濡れたギャグボールを持ち、留め具を外した。