第29章 藪をつついて蛇を出す
俺は自分の反り返った棒と向き合う。
着衣から解放されたそれは雄々しくそそり立ち、生き物みたいにぴくりと脈打った。
俺は息を殺して、硬くなった肉棒に手をやる。
垂れ流れる透明な液体に触れないように筋を撫でた。
「んんッ、ん、はぁっ……」
撫でれば撫でるほど、俺の息は浅くなって激しさを増す。
くちゅくちゅと亀頭を撫で擦り、
「んぁ……」
そのままゆっくりと根元まで手を下ろした。
待ち望んだ快感を皮切りに夢中で手を上下する。
「はァ、あ、あッ」
自分の欲でぬめった肉棒を必死になって手で揺さぶって摩擦する。
張り詰めた肉茎を欲望のままに扱きながら、荒い息を零す。
耳を澄ますとドア越しにサヘルの嬌声がする。
『んぅッ!うっ、うッ!』
サヘルはさっきからとめどなく涙声をあげている。
余っ程激しく攻め立てられてるのか。
そんなことが頭に過り、びくん、と腰が浮いた。
「あ、ぅ……ッ」
俺は小さく法悦の声を漏らし、ぶるっと震えた。
……俺は保健室に併設されたトイレの中で隠れて、自慰に耽っていた。