第29章 藪をつついて蛇を出す
倒錯した色情に悶えるサヘルくんとの距離を詰める。
「ん、ふぅッ……」
サヘルくんは切ない呻き声を上げて、わたしを見つめた。
困惑と緊張、
「ン……ッ、んん、ぅ……」
そして被虐的な官能への期待。
サヘルくんは甘ったるい声を漏らして、わたしを見ている。
わたしの身体の奥が激しく疼く。
身を焦がすような嗜虐心に火がつく。
わたしはにっこりと微笑み、
「サヘルくんの声を聞いてたら甘やかしちゃいそうですから」
サヘルくんの投げかける疑問に答えた。
そのままサヘルくんの顎を持つ。
「んっん……!」
強引に目線を合わせるとサヘルくんはぞくぞくと腰を痺れさせる。
わたしに焦がれるような視線を向けた。
「ンっ、ぐ……ん、は、うっ……」
嬉しそうに呻くサヘルくんに微笑み、手を離す。
「でも、本当にわたしは気にしませんよ?」
サヘルくんはびくんと肩を震えさせる。
「反応が良い方が可愛いし、我慢させる楽しみも大きいし……」
わたしはサヘルくんを見て、照れ笑いを零した。
「それに、その方がいじめがいがあるじゃないですか」
「んッ……!」