第4章 毒を食らわば皿まで
わたしは時雨先生の口元に、自分の指先を運んだ。
親指と人差し指をくちゅくちゅと動かすと、細く透明な糸を引く。
時雨先生が戸惑った様子でわたしを見る。
わたしは笑った。
「舐められますか?」
「……分かった」
時雨先生はゆっくりと指先を口に含んだ。
ちゅぱちゅぱと音を立て、丁寧に指を舐めていく。
暇潰しに指を喉奥に突き立て、
「んッ、ぐ!ん……!」
咥内をぐちゃぐちゃと触る。
時雨先生は口端から涎を垂らす。
生理的な涙を滲ませた。
懸命に指に吸い付く姿を見ていると、ますますいたぶりたくなる。
舌先を摘み、
「あぅッ……!は……!」
歯列をなぞる。
時雨先生は口内を弄ばれる行為になんとか耐えている。
身体を震わせる姿が可愛らしくて、微笑を漏らす。
「……丸木戸……」
「なんですかー?」
口から指を抜く。
時雨先生は必死に呼吸を整え、絶え絶えに呟いた。
「俺、お前の為に……なんでも出来る、から……」
わたしは息を飲む。
「俺をもっと酷くしてくれ……」
時雨先生はわたしの指に絡んだ先走りを全て舐め取り、キスをした。