第26章 三十六計逃げるに如かず
「おッ……ぉ……っ」
「そもそもこんなとこ思いっきり叩かれちゃったら、振り落としたくなくても我慢出来ないかもしれませんね」
「あ、あっ……丸木戸先、生、おれ……っ」
斗真先生の赤くなった切っ先が跳ね、浮き出た血管が脈打つ。
下半身がうち震え、ビュクビュクッと白濁液が噴き出した。
「ぁああっ……!」
濃い精液が床にとぷとぷと吐き出されていく。
「あ、ぁ……あ」
斗真先生は半泣きのまま、恍惚とした表情を浮かべる。
わたしは軽く瞬きして斗真先生を見る。
汗と涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔。
「だ、出しちゃったんですか?今ので?」
「ぉ……あ……ッ……ご、ごめんなさっ……」
わたしは斗真先生の背中から腰を上げて、見下ろす。
「斗真先生はいい子ですね、楽しかったですよ」
「あ……た、楽しかった、っすか……」
安堵した笑顔を見せる斗真先生。
わたしは頷き、斗真先生の目を冷静に見つめる。
「……粗相の後始末まで、出来ますよね?」
「は、はいっ……!」
斗真先生は身体を深く傾け床に舌を這わせる。
「ん……っ、ふ……」
躊躇なく、零れ落ちた精液を舐め取った。
✱
翌朝、わたしは鈍い頭痛で目が覚めた。
二日酔いに顔を顰め、台所に向かう。
貰い物のお酒が空になっている。
空き瓶を拾い、ラベルを見る。
案の定高いアルコール度数の表示。
わたしは長い溜め息を吐いた。