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男子校の女王様。

第20章 悪事千里を走る


「はっ……?んだよそれ……なんで、そんなの……え、俺、に……?」

「あ、分かります?流石お医者さんですね」

わたしは携帯式の浣腸器を手に、呟いた。

シリコン製のポンプ式洗浄器。

時雨先生は青ざめた顔で後ずさる。

「……マジ、か」

「はい、市販の薬剤の浣腸だと不健康ですし……これならお湯で洗えますから」

「も……もう、充分だろ……」

「だって今からあれを入れるんですよ?」

デスクの上のペニスバンドを指さす。

「奥まで綺麗にしなきゃですから」

わたしは笑顔で断言し、浣腸器から伸びるノズルを指先で触る。

「これ、解さないで入れたら結構痛そうですし……やっぱりちゃんと準備しないと」

わたしは時雨先生ににじり寄る。

「待っ……待てって……!」

「わたしの言うこと、何でも聞いてくれるんですよね」

「言った、けど……」

「時雨先生」

時雨先生はびくっと肩を震わせ、

「わ……分かっ、た……」

消え入りそうな声で答えた。



「…………」

四つん這いになった時雨先生の尸口に触れ、拡げ、丁寧に弄る。

指を離した。

「うん、綺麗になってますね。まあ、多分元から大丈夫だったと思いますけど」

「そりゃ、そうだろ……滅多にねえだろ、んな事……」

時雨先生は元気の無い声で返す。
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