第20章 悪事千里を走る
わたしは指の動きを止めたまま、
「やっぱり最初はこんなものですよね」
時雨先生の萎えたモノを片手で包み込んだ。
しゅっしゅっと優しく上下しながら、時雨先生を見つめる。
「ふっ……う、う……ッ」
時雨先生が首を起こし、わたしを懸命に見つめ返す。
時雨先生の特徴的な、人を睨むような目付きはぐずぐずになっていた。
眼は潤んでいて、今にも目元から雫が零れそうだ。
「今は後ろじゃなくて、前に意識を集中してみて下さい」
時雨先生がこくんと頭を揺らす。
「う……ッ、あ、分かっ、た……」
吐き出すように言い、上半身をベッドに埋めた。
「ン……ん、く……」
わたしが肉棒を手で擦り続ける内に、
「はッ……あ……っ……」
時雨先生の喉を抜けていた辛そうな吐息に艶が混ざってくる。
「ン……!」
時雨先生がびくっと身を震わせる。
手の中で肉茎が膨らみ、硬さを増す。
「ん、う、ぅっ……」
時雨先生は嬌声と共に、気持ち良さげに顔を顰めた。