• テキストサイズ

男子校の女王様。

第15章 嵐の前の静けさ


聖くんは乱れた制服を正し、静かに呟く。

「今すぐ教室に戻る気、しないんだけど」

わたしは何度も頷いて同意する。

「そっそりゃそうですよね、少し休みますよねっ?というかわたしがみんなに聖くんの病状の説明を……ややっぱり熱ですかねっ、わたし弁解してきますよっ」

挙動不審になるわたしを、聖くんは冷めたように見る。

「そんなの僕は誤魔化せるに決まってるだろ、どれだけ長い間いい子の猫被ってきたと思ってんだよ」

「そ……そうですか、大人ですね……」

聖くんは浅く俯く。

「……そんな事より、あんたもここにいろよ」

「で、でも、あの……」

その時、授業終了のチャイムが鳴った。

聖くんはうっとおしそうにわたしに言う。

「ほら、いいだろ」

「……はい」

置きっぱなしの教科書をどうしようかな、とか思いながら、わたしは聖くんとベッドにもつれ込んだ。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp