第12章 火に油を注ぐ
「う、わ……」
斗真先生は声を漏らし、晒された胸を注視する。
遠慮ない視線に胸の先が痺れ、つんと上を向いた。
「あ、勃って……る……可ー愛い……」
わたしは自分の頬が赤くなるのを感じた。
ぶっきらぼうにしまおうとした時、
「もういいで」
斗真先生がわたしの胸のみを見ながら話しているのが目に入った。
「め、めっちゃめちゃエロいっすね、おれすっごい興奮してて」
「…………」
わたしは力を込めて、
「いってえっ!」
斗真先生の頬を張った。
「胸に話しかけないでください」
「そ、そんなつもりはなかったんすけど……」
斗真先生は張られた頬を押さえながら、わたしの様子をそーっと伺う。
恐る恐る口を開いた。
「触っていい、ですか」
申し訳なさそうな上目遣いで、欲望に忠実な台詞を吐く斗真先生。
わたしは渋々肯いた。
表情を明るくする斗真先生の両肩に手を置いた。
「え、あ、丸木戸先せっ……」
斗真先生に向かい合うようにして、膝の上に座る。
「この方がいいでしょ……」
「は……はい」
斗真先生がわたしの胸に手を伸ばす。
「失礼します……」