第10章 京の夢大阪の夢
「斗真先生、これ知ってます?」
自前の学生鞄を開き、中からぷにぷにした筒型の玩具を取り出した。
男性用の性玩具、自慰に使うオナホール。
おれはぶふっと勢いよく噴き出す。
「そ、そんなのどこで買ったんだ!」
「やっぱり知ってるんですね」
「いや、そのっ……」
わたわたとするおれを後目に、丸木戸は無垢に首を傾げた。
「斗真先生も使ったことあるんですか?」
「…………」
「なんか尋問みたいですね、ごめんなさい」
丸木戸は黙り込むおれを見て、可笑しそうにくすくすと笑う。
丸木戸がおれに見せつけるように、指でオナホの入り口を広げる。
開いた挿入口がてらてらとぬめっている。
「……これ、女子学生の……を、モチーフにしてるんですって……」
丸木戸はそう言い玩具を片手に持つ。
もう片手を自分のスカートの中に滑らせた。
おれは食い入るように丸木戸を見つめてしまう。
心臓がバクバクと音を立てている。
丸木戸が少しだけ恥ずかしそうに下着をずり下げる。
膝上にかかった下着から目線を上げた。