第22章 夢現
「世の平穏のためにチャクラを使い、愛をもって人を束ね、愛をもって隣人を信じた。我が子孫として申し分ない振る舞いであった。」
「ええと……キセイ様からそのようなお言葉を頂けるとは嬉しい限りでございますが、不甲斐ない部分もあったでしょうし……。」
「オレから褒められるなど、千年のうち一回でもあれば良い方だ。そのまま受け取っておくが良い。」
中性的で端正な顔が優しく微笑む。
その笑顔に、鎖羅はどこか母の面影を見出した。
鎖羅はハムラから促されるままに、翳された手のひらに自身の手のひらを重ねる。
「今から、禁術の力と大筒木のチャクラを我へ返してもらう。貴様に残るのは、大筒木の血と母から受け継いだチャクラ、そして貴様自身の生命由来のチャクラだ。
……そして最後は、オレからの贈り物だ。」
合わせた手が熱くなる。
心臓の脈拍は大きくなり、血管の中をチャクラが走っていき、みるみるうちに吸われていく。
「母を……、兄ハゴロモの築き上げた忍界を、頼んだぞ。」