第18章 十八朝
鎖羅はカカシの腕を首に回し、腰を支える。そしてナルトが降り立つであろう場所近くに歩みを進めた。
カカシは自らの呼吸が上ずっているのを感じる。
先程脳裏を過ぎった予感、それが的中してしまうかもしれないのが怖いのか。
それとも、ナルトは失敗しないと分かっていても、心のどこかで仮面が割れてしまうことを拒んでいるのか──
ナルトが地面に着地する。
ヒラヒラと、男の後頭部ではためいていた紐が千切れて舞った。木材とも言えない、白く滑らかそうな破片が情けなく落ちる。
男の手のひらが顔を撫でた。
揺れる短髪に、鎖羅の喉から隙間風の様な音が短く鳴った。
輪廻の眼が一瞥する。
吊り上がった眉が眼瞼に更に影を落とす。
「お前は……」
「オビト…?」
「トビさ、ん……?」