第15章 十五朝
後日、二人は綱手に退院要請を取り、さっそく演習場で修行を始めた。
連合軍編成までかなりの時間はあるが、それでも完璧まで持っていくのには難しいかもしれない。カカシはまずは鎖羅の基礎から測ろうと、初歩的な訓練から組んだ。
「えっと、じゃあまずは水上歩行!」
「うっ……」
「うそ、なんで今嫌な顔したの?」
「百発百中、ってわけじゃなくて、ですね…」
鎖羅はカカシが僅かに汗をかきながら見守る中、そうっと水面に足を置く。
ひた、と波紋が広がった。鎖羅の足を取り巻くチャクラのオーラを見た感じ、練る量には問題が無さそうだ。だが、それを維持するのが難しいらしい。
ぼわぼわと光ったり消えたりするチャクラのオーラが、両足を着いた瞬間に完全に消えた。
まるで突如落とし穴に落ちたかのように鎖羅は水中へ沈む。
「え〜、ウソでしょ……ナルトより酷いんじゃないのこれ」
「苦手……なんです、昔から…」
「それでもS級犯罪者に載る位には対人戦闘はしてきたんでしょ?忍術使わないで戦ってきたわけ?」
「使ってましたよ!色々話すと長くなるんですが、私のチャクラは私自身のチャクラじゃなくて母のチャクラなので、そこから得た知識のみの術ですけど」
鎖羅は水から上がり、忍装束を絞る。
「ん?てことはもしかしてチャクラ持って産まれてないの?」
「そうです、母の体を食べたら母のチャクラと知識を得ることが出来たんです。」
ゾゾ、とカカシは背筋を震わせる。
この子、いまケロリと凄いこと言ったけどなにも気に止めてない。そういう一族だったのかな……。