第12章 十二朝
──────────
砂埃とクモの巣にまみれた洞窟の中、異様な白をもつマットレスが軋んだ。
この光景は初めてではない。嫌な思い出が蘇り、トビは眠気を払うのも兼ねて頭を振った。
足裏に砂のざらざらした感触がまとわりつく。久しぶりに夢を見た。妙に気分が良い。眠りは極めて深かったように感じる、
「どう〜…?トビ…」
地中から生えでたゼツがグパリと殻を開いた。
トビはサイドテーブルに置いた仮面を顔に当て、バンドを引いて後頭部に回す。
「いや〜久しぶりに良い夢見ましたよ。ずっと眠ってたいくらいですね!ハハ」
「そっかあ、ちょっと興味あるなぁ」
「シテ、計画ハイツニスルンダ?」
「そうッスね……早めに済ますぞ。」
声色が変わる。その様子にゼツは僅かに顔を強ばらせる。トビは手袋をはめて首を鳴らし、歩き出した。
「カブトに知らせろ。俺は小南の所へ向かう。」
「仰せのままに…マダラ様。」
出入口の岩が浮かんだ。ゼツはマダラを見送り、静かに地中へ潜る。