第25章 〜番外編その2〜
『あっ!』とスマホをみて、小さく声を上げ
嬉しそうにふわりと微笑む桜奈。
『家康から?』と尋ねる政宗。
ギョッとし、なんで分かるの?と言う
顔で、『えっ?な、な、んで、分かる
んですか?』と、あたふたする桜奈に
『そりゃ、そんな嬉しそうで
愛おしそうな顔して、スマホ眺めてたら
相手なんか、聞かなくても分かるよ』と
クスっとする政宗。
『やっぱりかー』と
(すぐに顔に出るんだな、はっー)
脱力する桜奈だったが
『あはは、だな。
これから、家康と会うの?』
(分かりやすいよなー、ほんと。)
『///はい///』と、やっぱり嬉しそうに
ふわりと笑う桜奈。
(そんな嬉しそうな顔してるんだ。
自分じゃ分かんないもんねー。
愛おしそうって、政宗さん
めっちゃ恥ずかしいことをサラッとまぁ
・・・ん?愛おしい?・・・!!!)
『Σはっ!!!』と、息を飲むように
驚いた顔で、政宗を見る桜奈。
桜奈の中で、霧が晴れていくように
(ああ、そうか!そうなんだ。二人に
感じた眼差しにぴったりな、表現だ!!)
そう思った。
『な、なに!どうした!?』
(何かあったのか?)
驚いた顔から、ぱぁっとキラキラした
表情になると
『分かりましたよ!政宗さん!
そうか!愛おしいだ!!ああ、ぴったりの表現。
そうだ、それでお似合いだって気がしたんだ。
想いあってるみたいで。そうか、そうなんだ!』
桜奈がどうして
愛花と政宗が、相思相愛だと
そう感じてしまったのか。
その理由がストンと腑に落ちた気がした。
いつもは、控え目な桜奈が
興奮気味に口にする言葉の意味が
政宗にはさっぱり掴めず
ポカンとするばかりだった。
丁度そこへ、事務処理の為に
戻ってきた愛花。
ガチャっと、ドアが開き
一瞬、政宗と目が合った。
けれど、さっきの素っ気ない
態度が思い出され、辛そうな顔で
ふいっと視線を逸らしてしまった。