第25章 〜番外編その2〜
ーーピンポーンーー
『はーい』愛花の母がインターフォンを
確認すると、見知らぬ夫婦らしき男女が
立っていた。
『お忙しいところをすみません。
今度、隣に家を建てることになった
伊達(いだて)と申します。
ご挨拶に伺いました。』
と、男性がインターフォン越しに
話をしてきた。
『ご丁寧にどうも、少々お待ち下さい』
そういうと、玄関に向かおうとした。
『お母さん、だーれ?』と先週で5歳になった
ばかりの愛花が母親に尋ねた。
『うん?お客さんだよ』と玄関に向かった
母の後をついて行く愛花。
ガチャっと玄関を開けると
伊達夫妻が立っていた。
『お忙しいところ、すみません。
隣に家を建てる予定の伊達と申します。
もうすぐ着工で、音がうるさくなるかも
知れません。ご迷惑をおかけしますが
今後とも宜しくお願いします。
あの、これはうちの会社で扱ってる
お菓子です。もし良かったら召し上がって
下さい。』
母の後ろから、ひょこっと顔を出し
『お菓子ー?やったー!』と
はしゃぐ愛花。
『こら、愛花。お行儀悪いわよ。
すみません。わざわざご丁寧にありがとう
ございます。坂本です。これは娘の愛花です』
『可愛い!愛花ちゃん、こんにちは。』
(やだー、お人形さんみたいに
可愛い子!!)と政宗の母は思った。
『こんにちは』と、サッと母親の後ろに
隠れ、顔だけ出して挨拶する愛花。
『愛花ちゃんは、いくつ?』
『えっとね、4歳』と言うと
『違うでしょ?5歳になったもんね。
もう、お姉さんなんだよね?』
『あっ、5歳!』と目一杯
手を広げて、私はもうお姉さんだしー
と言うように得意気にふふんと笑う愛花。
『すみません、先週5歳になったばかりで』
『そうなの!愛花ちゃんお誕生日だったの
おめでとう!うん、お姉さんだね。素敵!』
と、優しい笑みを浮かべる政宗の母。