第24章 〜番外編その1 〜
『いやだって、私この前、酔っぱらって
申し訳ないことしてしまって
ずっと気になってたんだよー。
最近、桜奈ちゃん元気なかったしさ
私のせいで、ぶち壊ししたんじゃないかって
ずっと罪悪感が・・あぁ、でも良かったね。
想いが通じたんだ。おめでとうね、桜奈ちゃん』
『///はい。ありがとうございます』
と恥ずかしそうにする桜奈。
席に案内されて、すぐに二人の定番メニューを
オーダーされた愛花は、るんるんで
カウンターへ戻った。
上機嫌な愛花に
『あれ?あいつら、わざわざ食べきたの?』と
愛花に尋ねる政宗と側にいた幸紫。
『そうなのよ♪ 桜奈ちゃん
初カレGETですって!おめでたいわ!
あっ、残念だったわね政宗。
桜奈ちゃんはもう、人のもんよ
手は出さないように・・・』
『出さねーよ。てかっ、んなもん最初から
思ってないわ!!』
『あら、そうだったの?
まっ、とにかく、いつものパンケーキと
アイスコーヒー、2つずつ宜しくー』と
足取りも軽やかに、水とお絞りを
持って、また桜奈達のテーブルな
向かう愛花。
『へぇ、家康やるじゃん。』
ふっと笑う政宗。
(あれ?小夏さんはどうなったんだ?
あとで尋問すっかなぁ、惚気たら
しばいてやる!)
側で聞いていた幸紫は、ざっくりでは
あるが大体の事情は掴めた。
桜奈が、空元気の合間に見せた
死ぬほど辛そうな顔の理由も
昨日の、客がその理由の相手だったことも。
(初カレねぇ・・・)
淡々とそう思ったはずなのに
何故か胸がチリッとした。
(ん?なんだ?)幸紫が自分では
痛みの自覚はできても、その理由には気づけない
まま、桜奈の初カレの事実を
受け入れたのだった。