第20章 〜それぞれの道〜
『いや、だから、デザート関係ないって!
まぁ、政宗さんがどんなデザート作るのか
作ってるとこに興味はちょっとは
あったけどさーぁ』と指でちょっとの仕草を
しながら、答える桜奈。
『じゃ、作るとこ見たいなら、桜奈が
作り方を、勉強したいやつを作ってもらえば?』
と、詩織が言うと
『しぃちゃん、頭いいね!
そうだよ、そうしよう!
えっとね、作ってみたいスイーツはね
・・・うーん・・・』と固まる桜奈。
桜奈の頭の中では
スイーツがパレードを始めた。
あれも、これも、それも・・・
『おーい、決まったかぁ?』と
少し、離れた場所で品定めしながら
声をかけた政宗。
フリーズしてしまった桜奈をみて
ダメだこりゃと思った詩織は
『政宗さん、オススメでお願いしまーす』
と手を振りながら答えた。
『わかった!じゃ、あっちいくぞー』と
言われ詩織は
『桜奈!ほら行くよー!』と
腕を組んで、桜奈を動かした。
『えっ、しぃちゃん、まだ決まってないよ』
と、やっと脳内パレードから戻ってきた桜奈
だったが
『もう、いつまでも決まんないから
政宗さんにオススメでお願いしますって
言っといたよ。私も政宗さんのオススメが
食べたいし。だって、1番美味しいスイーツ
でしょ。オススメなんだから・・・』
と、にっこりする詩織に
そう言われれば、そうかもと納得する桜奈。
『そっか、それもそうだね。』と言うと
何かを思いついたように
『しぃちゃん、先に行ってて、私追加したい
材料がある』と、桜奈は粉物のコーナーへと
向かって行った。