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また、恋してくれますか。

第19章 〜祈り〜


家康との結婚に、まぁなるようになるかと
落ち着き始めていた矢先に、送られてきた
光秀のメールに、動揺しないはずのない小夏。

光秀が根拠のない自信を持つのが
理解できるほど、小夏は光秀以外
見えなかった。光秀と一緒になれないのなら
他の誰とも一緒に生きて行きたいとは
思えない。だったら、一人でいい。

たった一言に、こんなにも揺さぶられて
しまうほど、忘れたくても忘れられない
人なんだと痛感する小夏。

でも、もう遅い。家康のプロポーズを
受け入れた以上、その責任はある。

小夏は、泣きながら『待たない』
とだけ返信した。

すると、光秀からは
『待っていなくても、必ず迎えに行く。』
と、返ってきた。

その返信で、光秀が今でも自分を想って
いてくれているのだと
涙が止まらなくなる小夏。

(無理だよ・・だって、今の私は
誰より大切な貴方の重荷にしか
ならない・・・そんなの耐えられないよ・・)

それぞれが、それぞれを慮る余り
時として、関係は複雑に捻れ
しがらみに身動きが取れなくなる。

本心を隠し、相手の為に良かれと
思ったはずのことで往々にして
人は傷つき、傷つけられることがある。

それは、本心を偽った自分への
罰なのだろうか?

だから、こんなに胸が苦しく
痛むのだろうか?
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