第18章 〜輪廻〜
詩織のお昼寝休憩に合わせて、少し早めに
出勤した桜奈。
スタッフルームに行くと
詩織の姿があった。
『しぃちゃん、おはよう!お疲れ様。
昨日、あれからどうなったか気になってた
んだよ・・・ね・・って、しぃちゃん?
なんか、すごーく元気ないけど・・・
体調悪いの?・・』と恐る恐る
詩織を覗き込む桜奈。
側に行った桜奈の腰にしがみつき
『桜奈ー!』と言うと
『私の片想い、木っ端微塵に砕けちったよー』
と、訴える詩織。
『へっ?木っ端微塵って、昨日、チラ見確認
だけって話だったじゃない?先生と会ったの?』
桜奈にしがみつき、目をギュッと
瞑ったままコクコク頷く詩織。
『えっ!会って話したの!凄い・・・ん?
昨日会ったばっかりで、木っ端微塵?
私の聞き間違い?』
嫌な予感を振り払うように
再度聞き直す桜奈。
今度は、同じ体勢でフルフルと首を横に振る
詩織に、(あぁ・・)と
何かを悟った桜奈。
詩織の腕を解きながら
『で、しぃちゃん、何をやらかして
7年の片想いが、砕けちったわけ?』
顔を引きつらせながら、詩織に尋問する桜奈。
『だって、だってさ・・お兄さんと先生が
顔はそっくりだけど、中身は全然違う人に
思えちゃって・・それを見抜かれるみたいに
私の片想いは、勘違いみたいなもんだって
言われて、つい・・・』
『つい・・?』