第18章 〜輪廻〜
『あ、あのですね、先生?
さっきから、微妙に私が先生に
助けてもらってから、ずっと片想いでも
したかのような体で話してる感じが
するんですけど、気のせいですかね?
(いや、間違ってはないんだけど
図星なんだけどさ・・・でもさ・・
なんかムカつく!)』
『違いのか?』と、含んだ笑いを浮かべながら
『だいたい、当時小学生だった子が純粋に
助けてもらったお礼言いたさに
ずっと思い続けられる訳がないだろう?
そこには、もっと別の感情があるに
決まってるだろ?
まぁ、小学生の女の子の思考だから
命の危機を救った相手をヒーローか
白馬の王子様と思いたくなるのも
無理からぬことだがな。』と言った信長が
自分の恋を子供騙しにまんまと引っかかってと
嘲笑するように感じた詩織。
カッチーン!と詩織の中で、怒りの鐘が鳴った。
(はっ?なんで、そんな言われ方して
バカにされなきゃいけないの?私の気持ちは
私のもので、あんたに関係ないじゃん!!)
すくっと立ち上がると、信長の前に立った。
急に立ち上がり、自分の前に立ち塞がるように
立った詩織を見上げる形になった信長。