第17章 〜他生〜
『へっ?自分って、誰ですか?
まさか、私(なんで?)』自分を指差し
キョトンとする桜奈。
『違うの?初恋の相手が兄貴で
ずっと会いたかったのは桜奈も
そうだったんでしょ?だって、おじさんから
話聞いた時、初恋の相手だって、さっきも
同じこと言いかけてたじゃん』
と、一気に思っていたことを全部
ぶちまけてしまった家康。
家康が何を言っているのか、分からないと
言う顔をしていた桜奈だったが
やっと、そう言うことかと理解した。同時に
家康の勘違いが可愛く思え、思わず笑い出す。
『うふふふ、家康さん、おかしい』と
口を抑えながら、楽しそうな桜奈に
(///可愛い顔して笑って。ったく、何だよ
なんかムカつく)
『何がおかしいの?』と不機嫌に
言い返す家康。
『あっ、ごめんなさい。悪気はないですよ。
家康さんが、思ってるそれ、勘違いです。
私の初恋は、いぇ・・とにかく、小田先生じゃ
ないですよ。
もう、こうなったら、しぃちゃんには
後で謝りますけど、しぃちゃんの初恋の相手が
先生なんです。ずっと忘れられないまま
今まで来ちゃったらしくて。
私も打ち明けてもらったのがつい最近なんです。
子供の頃の初恋を引きずるって言うか
拗らせて、誰に告白されても
先生を思い出して、なかなか次の恋に
進めないって言ってて・・・』
(あー、しぃちゃんに怒られるな、これ・・)
『そうなんだ・・・』心底ホッとしている
自分を感じる家康。
(良かった、義理の弟にならなくで済みそう。
小野寺さんが、あんなにテンパったのは
そう言うことだったのか。)
と、クスっとしながら全て納得した。
『どうしたんですか?』
(なんか、ホッとしてる?)