第17章 〜他生〜
『初めまして、上杉さんちに
下宿させてもらってる徳永と言います』
と、ペコっと頭を下げる家康。
『まぁ、まぁ、ご丁寧に。
初めまして、小野寺です。いつも
詩織がお世話になってます』と
詩織の祖母も家康に挨拶した。
『おばあちゃん、先に病院行ってて
すぐ追いかけるから』と詩織。
『分かったわ。一人でも大丈夫だから
ゆっくり来なさい。それじゃ、桜奈ちゃん
徳永さん、失礼しますね』とまた、会釈し
病院へと向かって行った。
『しぃちゃん、おばあちゃん具合悪いの?
一人で行かせて大丈夫?』と心配する桜奈。
『ああ、大丈夫よ。今日は検査で来たの。
暑いから、途中で熱中症とかで倒れたら怖いし
心配でついて来ただけ。
で、お二人さんはデートじゃないの?
向こうから見たらラブラブカップルにしか
見えなかったけど?
私の目の錯覚じゃなきゃ手までつないで
なかった?』と、桜奈をこのこの〜と
言うように肘で押し冷やかす詩織。
『ち、違うよ!ねぇ、家康さん!』と
なんとか、誤解を解きたい桜奈は
家康に助けをら求めた。
『うん、違う違う。単なる介護だから。』
(やっぱりか!)分かっていても
また、介護だと言われてしまう桜奈。
『はっ?介護?何んですかそれ?』
『私、一昨日の夜から熱出して
寝込んでて、病み上がりなんだよ』と
桜奈。