第14章 〜告白〜
その後、家康のお昼に付き合い
二人で、相談しながら買い物をし
帰宅すると、上杉家用と、家康用の
2種類のカレーを二人で仲良く
作って食べた。
友達と過ごすように
他愛のない話を楽しむ二人。
今までにないくらい、穏やかな時間が
流れていった。
この日を境に、二人の距離が
一定となっていた。
激しくこ気持ちがき乱されることもなく
騒つくこともなく、自分の心は
自分のコントロール
できる範囲の中にあった。
穏やかに過ごす日々は
あっという間に過ぎて、気づけば
夏休みに入った。
バイトも始まり、忙しい日々を過ごす桜奈。
勉強と新居探しに、家康も忙しい日々で
二人は、それぞれ自分の事に没頭していた。
『桜奈、今日は夜遅くなるの?
夕飯はいるの?』と千里。
『あっ、夕飯はいるけど、ちょっと
遅くなると思う。21時前には
帰ってこれると思う』
『あっ、じゃ、傘もっていきないね!
夜、雨が降るって予報でてるから』
『分かったー!』
(折り畳みでいっかな?こんな天気いいし
きっと、夕立があるくらいかなー?
帰りは、雨降ってないかも)
『じゃ、行ってきまーす』と
桜奈は、バイトに出かけて行った。
『桜奈ちゃん、今日遅くなるんですか?』
やりとりを断片的に聞いていた家康は
千里に尋ねた。
『そうみたい、21時までには帰るって
言ってたけどね。家康君は?今日も新居探し?』
『はい、部屋探しの後、図書館で勉強して
きます。桜奈ちゃんが遅くなりそうなら
それに合わせて、二人で帰ってきますね』
『ありがとう、助かるわ。一応、女の子だし
夜遅くなると、やっぱり心配だから
宜しくお願いしますね。家康君も傘持って
出た方がいいわよ』と千里。
『はい、そうします』と家康も
折り畳みの傘を持って出かけていった。