第13章 〜真実〜
夏休みまで、あと数日の公園は
夕方6時を回っていても、まだ明るかったが
みんな帰った後で、誰も居なかった。
ブランコに腰掛け、地面に足をつけたまま
ゆらゆらしながら、詩織を待つ桜奈。
(そう言えば、あの時、苦しそうな家康さんを
思わず、抱きしめたっけ・・・今考えたら
我ながら大胆だったな///)
まだ、あれからそんなに経ってないはず
なのに、遠い昔の出来事のように思えた。
(一緒に暮らして、毎日顔を合わすから
忘れてたけど、初めて会ってから1ヶ月
くらいしか経ってないんだよねー。
それなのに、ずっと前から会いたかった
人で、ずっと前から一緒にいたような錯覚
してた気がする・・・
後、1ヶ月もすれば縁が切れる人なのに・・・)
夕闇が少しずつ、迫り始めた空を
見上げながら、まるで人ごとのように
これまでを振り返っていた。
すると『桜奈お待たせー!』と詩織が
手を振りながら、こちらへ向かってきた。
桜奈は、立ち上がると手を振り返し
『しぃちゃん、急に呼び出してごめんねー』
と声をかけた。
桜奈の元に着いた詩織は
『はい、これ』と缶コーヒーをくれた。
『ありがとう、しぃちゃん。遠慮なく
頂きます』とニンマリし、またブランコに
腰かけ、缶コーヒーを飲み始めた。
詩織もブランコに腰掛け
パカッと缶コーヒーを開けながら
『で?何があったの?』と聞いてきた。