第13章 〜真実〜
ドアを締めたあと
桜奈もまた、ダメージを受けていた。
(確かに、キャンセルしたいって
思ったけど、婚約者さんに明日の話もして
きっと反対されたのかも・・・私でも
嫌だって思うもん。しぃちゃんに電話して
みよう・・・)
バッグからスマホをだして、詩織に
電話をかける桜奈。
《もしもし?桜奈?》
《あっ、しぃちゃん?今電話してて平気?》
《うん、大丈夫よ?何かあった?》
《明日って何か予定入ってたんだよね?確か?》
《うーん、入ってるって言えば入ってる
でも、なんで?》
《あっ、予定あるならいいの!気にしないで》
《そう?何からあるなら遠慮しないで
いいなよ!そう言えば、岩田君と図書館
いったんだよね?》
《うん、岩田君がオススメしてくれた本を
借りてきて、これから読もうかなって思ってる》
《そっか、面白いヤツだったら
私も読みたいから、感想聞かせてねー!
でも、読みふけって明日、寝坊なんてしたら
絶対ダメよ!!せっかくのデートなんだし!》
《うん・・・そうだね・・・》
《桜奈?いつもなら、そこはデートじゃ
ないしー!プンプンがデフォだよね?
やっぱり、何かあったでしょ?》
《ははは、しぃちゃんには、敵わないな・・》
そのまま、押し黙る桜奈。
《桜奈?》
《ねぇ、しぃちゃん・・・あのね
これから会えないかな?》
《いいよ!じゃ、いつものブランコで
待ってて、すぐ行く!じゃ、一旦、切るね》
桜奈は、家のすぐ近くの公園に
行ってくると、千里に言って出かけた。