第2章 〜会いたい〜
『えっ?ほんと!猿飛先生と同じくらい
徳川家康好き、醸し出してる』
とニコニコする桜奈。
『いや、褒めてないよ!ヤバイよって
言ってるんだけど』と、話が噛み合わない
ことに、更に呆れる詩織。
『えっ?違うの?でも、何がヤバイの?』
とキョトンとする桜奈。
『そりゃ、ヤバイでしょ!桜奈が
一途なのは、よーくわかったけど
でもさ、現実の人間にも恋しなきゃ。
青春の時間は、限られてるのよ!
命短し恋せよ乙女だよー
もうすぐ夏休みだよ!来年は、受験だよ!
彼氏作って、楽しむ為には今年がラスト
チャンスの夏休みだよ。
歴史上の彼氏にうつつを抜かしてる
暇なんて私達にはないのよ!』
と握り拳で力説する詩織。
『と言うことで、彼氏を作るには
どうすべきか!をこの前のパンケーキ屋で
作戦会議よ!さっ、行くよ』と
ぐいッと桜奈の腕を掴む詩織。
『いや、いや、しぃちゃん、その前に期末で
赤点だと、補習で夏休み減るけど?
恋の前に、夏休み全日確保が先じゃない?』
一瞬、ゲっ!と言う顔をし
『なんてこったい!!忘れてた!あ゛ー』と
頭を抱えしゃがみこむ詩織。