第12章 〜終恋〜
ドアの前で、考えを巡らせながら
ぼーっと、立ち尽くしていると
不意に、リビングのドアが開いた。
『うわっ』と驚く家康。
『こんなとこで、何してるんですか?
家康さん。』とまだ、かなりムッと
している桜奈。
『ご飯、冷めちゃいますよ、ってか
冷めちゃったかも・・・温め直しますから
座って待ってて下さい。』と、家康と
視線を合わす事なく話すと、キッチンへと
向かおうとする桜奈
その桜奈咄嗟に掴む家康。
不意に捕まれた腕に
えっ?と驚き振り返る桜奈は
家康を見上げた。
『さっきは、ごめん!!
俺、夢を見てたみたいで寝ぼけちゃって。
何か、凄く嫌な思いさせたよね。
ほんと、申し訳ない!!』と深々と
頭を下げ素直に謝る家康。
その姿に、怒りが少しだけ和らぐ桜奈。
『いいです。わざとじゃないでしょうし
不可抗力なら、私の方が何度もやらかして
ますから、もう気にしないで下さい』
(そうだよ、やらかし具合いなら私の方が
酷いもんね///)
『でも、俺、夢みててはっきり
自覚は無いんだけど・・とんでも
ないことした気が・・・するんだけど・・』
バツが悪そうに言う家康。
(やっぱり、覚えてないか・・・
でも、忘れてくれて、なかったことに
して欲しい・・・やっぱ無理かぁ(泣)!!
あーもー!でも!!)心の中でひとしきり叫ぶと
『覚えてないなら、そのまま、忘れちゃって
下さい。私もなかったことにしますから
本当に気にしないで大丈夫ですよ。
じゃ、この話はお終いってことで
ご飯食べましょう。今日は、パスタに
してみました。座って待ってて下さい』
と淡々と話しキッチンへ向かった。
『うん・・・』そう言って席につき
温め直してもらった、パスタを二人で食べた。