第2章 〜会いたい〜
ーーーー時は、現代ーーーー
『徳川家康は、戦国時代を終わらせた後
260年余り続く徳川幕府を開きました。
日本の歴史上だけでなく、世界の歴史上
でも200年以上、平和な世が続くことは
稀でした。
徳川家康は、平和な世の基盤を作りあげ
それが後世へと引き継がれていったわけです。
いやー、ほんとに素晴らしい人物ですよ。
徳川家康は!』と何かを噛み締めるように
宙を仰ぐのは、猿飛太助教諭。
佐助の兄だ。
兄弟で、徳川家康の大ファンだった。
いつかタイムマシンを作って、徳川家康に
会ってみたい!幼い頃兄弟でそんな夢を
語り合った。
そんな仲睦じい兄弟だった二人。
兄は、高校の歴史教諭の傍ら歴史の研究を
続けていた。
弟の佐助はタイムマシンへの憧れから
時空を超えるワームホールの研究者
として大学院で学んでいた。
そんな弟が忽然と姿を消し行方不明に
なってから、十数年の月日が
流れていた。
(佐助・・・お前は、徳川家康に会えたか?)
ヒソ『でたー、猿飛先生も徳川家康の
大ファンだよねー、熱く語りすぎだよ』
『しいちゃん、しー聞こえちゃうよ』と
口に指を当て諭す桜奈。
『何か、質問ですか?小野寺さん?』と
名指しされ、ギクッとしたのは
小野寺詩織、桜奈の幼なじみで
大親友。
ほら〜と言う顔で詩織を見る桜奈。