第11章 〜別れ〜
あまりに、刺々しい口ぶりに
何かあったのか?と思いつつ
何故か、桜奈の方が
イラッとした。
(今日は、一段と捻くれ度が酷いけど
何かあったのかな?せっかくバイト受かって
気分良かったのに、何かいちいち
突っかかられてる気がする)
『何か、あったんですか?
今日は、何か言い方に棘がありますけど』
と、ちょっとムッとして聞く桜奈。
ムッとされたことに
(誰のせいだよ!)と心で逆ギレしながら
『別に、そんなつもりないけど。
だって、バイトの目的がパンケーキと
政宗から料理教わる為でしょ?何か
間違ってた?』と家康。
『いや、そうですけど、何か今日は
言い方が・・・ああ、もういいです。
バイトの目的は、その通りで、何にも
間違ってませんから!』と、プイッと
台所へと戻って行った。
桜奈が背を向けて、立ち去ったあと
『はっー』と深いため息を吐く家康。
(何やってんだろ俺・・・バイトの面接で
政宗に会うことが気になってたくせに。
やっぱり、即日でバイト決まったのか
嬉しそうだったな・・政宗と一緒に
いられるのが嬉しいってことだよな。
そんなこと、俺にはもう関係ないのに
何なんだよ今更、バカだな俺も・・・)
自制が、うまく効かない自分への苛立ちを
桜奈に八つ当たりしているだけだった。
そんな自分にまた、イラつく家康だった。