第9章 〜秘密〜
『ご馳走様でした』と桜奈と詩織は
にっこり微笑んだ。
『おぉっ、また来てくれよな!大事な
常連さんだし、来たらサービスするぜ』
と爽やかな笑みで答えた。
政宗が退席した後
『もう、しぃちゃんも徳永さんも酷いよ。
政宗さん、逆にどんだけ語るんだって
ドン引きしてたじゃん』と恥ずかし
そうにしながら、またむぅっとする桜奈。
『いや、事実だし』とあっさり
言い放つ詩織。
『うん。まぁ・・・ね』と否定しない家康。
『うぅ、ますます酷い。ってか、もしかして
私、そんな熱く語ってるの?そう見えるの?』
改めて、自分が本当にドン引きされる
レベルなのかも知れないと自覚し
頬に手を当て、驚く桜奈。
『そうね、色んな意味で無自覚
ハイレベルだからね桜奈は。』
と、ぽんぽんと頭を撫でる詩織。
『ぷっ』と吹き出した家康。
『あんたら、本当に仲良いんだな』と
優しそうな顔でふっと笑う家康。
(///キュン///)頬に手を、当てたまま
今度は、赤くなっていく桜奈。
(あぁ、無愛想でぶっきら棒からのこの笑顔。
ギャップ萌えってやつですね、桜奈さん)
詩織は、はいはい、ご馳走さんと
言う気持ちで、桜奈と家康を
見ていた。
そして、接客の合間に桜奈の
様子を見ていた政宗も
(へぇ、なんだ、そういうこと。
やっぱり同居してれば距離は縮って当然かぁ
でも、よりによって、家康とはなぁ・・・)
と、いずれ、家康の抱えている事情で
傷つくことになるかも知れない
桜奈を心配した。