第8章 〜恋敵〜
『とか言って、パンケーキ屋に、なだれ込む
つもりでしょ桜奈』と、桜奈の
思惑を、いとも簡単に見抜く詩織。
『えへへ、バレたか!でも、あそこの店
パンケーキ以外にも軽食メニューあるし
どうですか?』と家康と光成に問いかけた。
『あっ、ごめん。行きたいのは
山々なんだけど、これから塾がはいってて。
また、ぜひ誘ってよ』と、光成。
『そっか、残念。じゃ、また今度。
勉強教えてもらったお礼にパンケーキ
ご馳走するね』と、屈託のない笑顔で
光成に語った。
『うん、じゃ、期待しとくよ。』
切なさを、抱えつつも自分に向けられた
桜奈の笑顔が嬉しくて、はにかむように
微笑んで答えた光成。
こうして、光成とは、図書館で別れ
三人は、いつものパンケーキ屋に
向かった。
『徳永さん、今日は、ありがとうございました
今日は、私が、ご馳走しますから。
パンケーキ屋じゃなくても、他に行きたい
ところがあれば言ってください。
いいよね?しぃちゃん?』と詩織に
同意を求めた。
『もちろん!今日凄く助かりました。
私、数学苦手だったけど、今日は徳永さんの
お陰で、数学が一瞬面白いかもと思ったし』
『へぇ、そりゃ良かった。俺はパンケーキ屋
で構わないよ。実は、あそこで友達が
バイトしてるから、そいつの料理上手いから
それ、食いたい』と家康。